相続が発生したら
よくある質問

遺産はどうやって分けるの?

遺産は次の方法で分けることが出来ます。
  • 法律で決められた「法定相続の割合」で分ける
    ※相続財産について誰がどの割合で承継する権利があるのか、民法(第886条~895条等)には規定があります。
    その割合を、「法定相続の割合」といいます。
  • 相続人全員で「遺産分割協議」をして、自由な割合で分ける
    ※相続人全員で「遺産分割協議」をすれば、「法定相続の割合」とは異なった割合で、自由に分けることができます。

※1と2どちらの方法をとるかは、相続人が自由に決めることが出来ます。

具体的に、1と2でどう異なってくるのでしょうか。
例えば、妻と子が相続人の場合で、相続財産に土地Aと土地Bがあったとします。

  • 法定相続の割合で分ける場合
    土地Aと土地B、両方とも2人の共有(妻50%子50%)となります。
  • 下記のような遺産分割協議をした場合
    ・土地Aを妻が相続するものとする
    ・土地Bを子が相続するものとする
    →土地A・土地B、共に一人ずつの所有となります。

公平に分けたい・相続人の間にいさかいがある・遺産分割でもめたくない、といった場合に(a)の方法をとることが多いようです。
また(b)の遺産分割協議の方法をとると、各相続人の財産状況を考慮したり(例:年老いた母の取得分を多くするなど)、税金を考慮したり、売却を考えて1人の所有にしたり等、臨機応変な対応をすることが出来ます。
実際、遺産分割協議をして相続分を決める方が、かなり多い状況です。
長い年月が経つと、共有者間の意見が揃わなくなる場合も、少なくないようです。
土地は特に個人名義にしておいた方が、後々になってスムーズに処分が出来ると言えるでしょう。

いったい自分はいくらもらえるのか?

1. 法定相続の割合

相続財産について、民法では誰がその財産を受け継ぐ権利があるのか、その順位はどうなのかということが規定されています。
遺産分割協議をしない場合は、この法廷相続分で相続することになります。

  • 配偶者は常に相続人となります。
    (配偶者がいない場合は、血族相続人のみでわけます。血族相続人の順位は(b)を参照。)
  • 配偶者とは別に、血族相続人が相続人になります。
    血族相続人の順位としては
    • 被相続人に子供がいる場合は子供のみ
      (養子や婚姻外の認知した子も含む)
    • 子供がいない場合には親
    • 子供も親もいない場合は兄弟姉妹
    となります。

■具体例1 配偶者と子供(又は孫)の場合


  • 配偶者が全体の1/2もらう
  • 子供は全体の1/2を人数で割ったものをもらう
    (注:子供間の割合は、非嫡出子(婚姻外の子供)は
    嫡出子(婚姻による子供)の半分となる。)
  • 被相続人より先に死亡している子供がいるときは、
    その子供がもらうはずだった分が孫にいく

■具体例2 子供なし・配偶者と親の場合


  • 配偶者が全体の2/3もらう
  • 父母は全体の1/3を分ける
  • 父母が両方とも被相続人より先に死亡している場合は、
    祖父母が全体の1/3を分ける

■具体例3 子供なし・父母も先に死亡・配偶者と兄弟姉妹の場合


  • 配偶者が全体の3/4もらう
  • 兄弟姉妹で財産の1/4を分ける
  • 被相続人よりも先に亡くなっている兄弟がいる場合は、
    その兄弟の子供(つまり甥姪)に
    その兄弟がもらうはずだった分がいく

2. 法定相続以外で分割する場合

法定相続分以外で分割しようとする場合は、遺産分割協議が必要になります。
遺産分割協議をすれば、自由に割合を決めることができます。

相続放棄・単純承認・限定承認って何?

相続が始まっても、相続人は自分で、相続するかしないか選択することができます。
相続の種類は次の3つがあります。

  • 単純承認
    これは、被相続人の財産をプラス・マイナスすべて承継するものです。
    もっとも一般的な方法で、相続の開始を知った日から3ヶ月経過すると、単純承認をしたものとみなされます。
  • 限定承認
    被相続人の財産には、プラスのものとマイナスのものがあります。
    プラスの財産とマイナスの財産のどちらが多いのかわからない場合に、一部の財産を限定して引き継ぐことを限定承認といいます。
    引き継いだプラスの財産で補える範囲で、マイナスの財産を引き継ぐことになります。
    ただし、限定承認は相続人全員でしなければならず、またその期間も、相続の開始を知った日から3ヶ月以内と限定され、家庭裁判所に対して財産目録を添えて申述しなければなりません。
  • 相続放棄
    マイナス財産があきらかに多いときや、特定の人に財産を相続させたい時などに行うもので、やはり相続の開始を知った日から3ヶ月以内に家庭裁判所に対して申し出なければなりません。
    ただし、限定承認と異なり、相続放棄は一人でもすることができます。
    この場合、放棄した人は、はじめから相続人でなかったものとされますので、債務を負うこともありませんし、代襲相続の問題も生じません。

※相続放棄手続き書類の作成代理も承っています。

⇒ 相続放棄の申述

今後相続税が改正される可能性も

平成23年度の税制改正では成立していませんが、国会では相続税の改正案が提出されました。廃案ではなく将来の改正事項として、引き続き検討されることになりましたので、今後実際に何かしらの改正がなされる可能性が高まっています。

 ※下記はその案(未成立)としての紹介になりますのでご注意下さい。

 大きな変更点は基礎控除額の縮小です。

  • 現行    5,000万円+1,000万円×法定相続人の数
  • 改正案   3,000万円+600万円×法定相続人の数

これまでは、相続税が発生する割合は全体の5%程度と言われてきました。
しかしこの改正がなされると、今まで相続税がかからなかった人も、申告・納税が必要な可能性が高くなります。(課税対象者が5割アップすると言われています。)
例えば妻と子供2人がいる場合、今までは遺産が8,000万円以下であれば相続税の申告は不要でしたが、改正後は4,800万円を超える場合で注意が必要になってきます。

今後については未定ですが、これまで以上に、事前に対策を考えておくにこしたことはないと言えます。

相続人に未成年者がいる場合はどうすればよいか?

未成年の子は、単独で有効な法律行為を行えません。
(法律行為をする場合、通常は親権者が子を代理します。)

遺産分割協議もそんな「子が単独で出来ない法律行為」の一つですが、母と未成年の子の間で協議を行う場合は、母と子の利益が対立するので、母は子の代理人にはなれないのです。

そのような場合、家庭裁判所に申立を行い、
遺産分割協議のみにおいて未成年者を代理する「特別代理人」を選任します。

遺産分割協議をしない法廷相続分での相続登記の場合は、特別代理人の選任をしなくても大丈夫です。
※特別代理人選任申立の代理も承っています。

⇒ 特別代理人選任の申立

遺留分って?

遺留分とは、被相続人の兄弟姉妹以外の相続人に対して留保された、相続財産の割合のことです。

例えば、遺言によって相続人以外の誰かに、全ての財産を遺贈するという内容になっていた場合、残された家族が生活に困ってしまう可能性があります。
また、相続財産が故人の名義だったとしても、潜在的には相続人の持分が含まれていることが多く、それを認める必要性もあります。

そのようなことから、相続財産の一定割合に対して、兄弟姉妹以外の相続人は、その権利を主張することができるとされました。 (遺留分減殺請求といいます。)

遺留分減殺請求は、相続開始及び減殺すべき贈与または遺贈があったことを知った時から、1年間以内にしなければなりません。
また、相続開始の時より10年を経過した時も同様です。

生前から考えておきたい相続対策

■ 遺言書の作成

遺言書を作成しておくことによって、自分がいなくなった後に遺産分割において争いが起きないようにしておきます。
また、子供がいない場合や、前婚の子供がいる場合他、相続関係が複雑になりそうな時は、特に遺言書が有用になるでしょう。
遺言には、法的な効力があるので、相続人は遺言に従わなければいけません。

正しい形式で、有効な遺言書を作っておくことは、自分の意思を反映させられるだけでなく、残された方の無用な争いを避け、相続人を思いやる結果にもつながります。

⇒ 遺言書を作成する

■ 生前贈与・税金対策を考えておく

通常の生前贈与には、もちろん税金がかかりますが、贈与税の配偶者控除を利用する等で財産の一部を相続税の対象から外す方法も考えられます。

相続税が発生しそうな場合は、節税対策を考えた長期的な計画を立てることが有用です。
また、納税対策も必要になるでしょう。後になって「やっておけばよかった」と思うことは、非常にもったいないことです。
複雑な事例等は、一度税理士に相談しておくと良いかもしれません。

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